2007 Fiscal Year Annual Research Report
事象構造への生成文法と認知文法の接近方法の比較研究
Project/Area Number |
18520373
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 亨 Yamagata University, 人文学部, 准教授 (70216414)
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Keywords | 結果構文 / 非選択目的語 / 見せかけの結果構文 / 構文の半生産性 / 事象構造 |
Research Abstract |
非選択目的語の生じる典型的な構文である英語の結果構文に関して、その成立条件の解明を目指した。結果句の選択に関して、一見有界性制約の反例とも考えられる非有界的な形容詞が生じる事例を検討し、それらを見せかけの結果構文(spurious resultatives)として分析することによって、有界性制約の適用する真の結果構文(true resultatives)と区別できることを明らかにした。見せかけの結果構文における結果句は、副詞・付加詞的なふるまいを示すことを実証的に示し、見せかけの結果構文が、変成(transformation)の事象構造を持ち、変化の前後で事物の構成(constitution)の一貫性が絶たれるという特徴づけを行い、真の結果構文における変化は、対照的に、構成の一貫性が維持される内在的変化に限定されることを論じた。関連して、見せかけの結果構文における結果句の副詞性は、構造的な主述関係が成立していないことに起因していることを指摘した。また、結果句に駆動される構造的要請の強い真の結果構文において、創造的結果構文表現が生じる背景となる文法メカニズムと、その創造性が半生産的にとどまる理由について、生成文法と認知文法、双方の視点から考察を進めている。
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