2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウエストサクソン方言福音書6写本(古英語5写本と13世紀写本)の完全比較
Project/Area Number |
18520375
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 美知子 Chiba University, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (20128622)
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Keywords | 英語 / 言語学 / 中世 / 聖書 / 写本 |
Research Abstract |
今年度はまず、5月にポーランドに出張、現在の研究、特に福音書写本間の統語的相違について発表、その後、2年前から審査して頂いていた私の業績に対し、Habilitationを戴き、その礼としての講演を行った。その翌週、広島大学での日本英文学会に評議員として参加したのを期に、2009年の英語史学会(SHELL)の国際会議の広島開催を打ち合わせると共に、同学の資料(主に中世後期)を見せて頂いた。8月には学術振興会より国際会議出席のグラントを戴き、ミュンヘン大学で開催された国際歴史英語学会(ICEHL)において発表、長年の師であるオックスフォードE. G. Stanley教授や友人のグフスゴーChristian Kay教授、ミュンヘンHans Sauer教授達と歓談、研究に関する意見交換を行った。その後Kay教授から、Historical Thesaurusの出版が決まったという情報と共に、研究者として出版前に電子コーパスを使う許可を得た。我々のように古英語・中英語を読むことが専門の者にとっても、コーパスの存在は有難く、しかも現代までをカヴァーするとなると、パイロット・スタディーとして使う利点があるので、これからの研究に大いに役立つ。その意味でミュンヘン行きの成果は大きかった。12月には日本中世英語英文学会での司会および評議委員会出席のため大阪府立大学に出張、この際も大阪大学、京都大学、名古屋大学に立ち寄って、資料を調べた。今年度は千葉大学の文学部の改装工事に伴い研究室を一時引っ越さざるを得なかったので、早めに事務用品などを買って科研費の清算を行い、あとは集めた資料の整理と研究成果の執筆に時問を費やした。
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