2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウエストサクソン方言福音書6写本(古英語5写本と13世紀写本)の完全比較
Project/Area Number |
18520375
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 美知子 Chiba University, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (20128622)
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Keywords | 英語 / 言語学 / 中世 / 聖書 / 写本 |
Research Abstract |
今年度は当該研究の最終年度と言うことで、まずはこれまでの写本の転写の正確さの検証と、残りの写本の転写の完成を目標にした。すでに終わっているMSS CCCC140, Bodley441, CUL Ii.2.11, Royal I.A xiv, Hatton38について、福音書の各章、各verseごとに見直す作業をコンスタントに行うと同時に、7月にはBritish LibraryでCotton Otho C.i(vol.I)の転写とBodlein LibraryでEng.Bib.C.2の転写を行い、さらにCambridgeのUniversity LibraryでCUL Ii.2.11の中で気にかかっていたJohnの部分の転写を確認した。その後8月28-30日の広島大学での英語史学会と千葉大学での国際フォーラムの開催に、共催者・主催者の側としてプログラムを充実させるべく招待したAntonette diPaolo Healey教授(トロント大学)、Hans Sauer教授(ミュンヘセ大学)、Robert D.Stevick教授(ワシントン大学)、Young-Bae Park教授(韓国Kookmin大学)と滞在中・会議中を通じて会談、特にHealey教授かちは古英語辞書編集主幹としての示唆を、Sauer教授からは中世ラテン語の注釈としての古英語に関する教えを受けた。またStevick教授とは中世資料の電子テクスト化の計画を、Park教授とは韓国での刊本出版の可能性を話し合った。その結果、Skeat版のような見開きですべてのVersionを比較するのは便利ではあるが、出版社の傾向はvariorum版にあるので、まずは正確に転写した原稿を、どのようにでも活用できるよう保存しておくこととした。
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