2006 Fiscal Year Annual Research Report
音声と統語処理のインターフェイスから探る強勢変異形出現メカニズム
Project/Area Number |
18520380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
服部 範子 三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)
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Keywords | 変異 / 強勢移動 / 言語内要因 / 強勢衝突 / 変異形 |
Research Abstract |
本年度は現代イギリス英語において観察される強勢変異形の出現に関して、まず文献で指摘されている形容詞の変異形についてコーパスを用いてそれらが自然な文脈の中で現れるような提示文を準備し、イギリス英語母語話者21名を被験者として行つた実験結果を分析し、変異の引き金となる言語内的および言語外的(社会言語学的)要因を提案した。 そして、言語内的要因については音声的要因と統語的要因、そして(今回の実験対象には含まれなかったが本研究構想の中に含まれる他の形容詞も考慮に入れると)意味的要因が変異形出現に関与することを指摘した。さらに、音声的要因と統語的要因の相互作用および変異の引き金となる際の両者の要因の強弱について、試験的ではあるがこれまでのデータ分析によって得られた結果について論文にまとめて発表した。 音声的要因と統語的要因の作用の強弱をさらに検討するために、この論文をまとめる作業と平行して、新たにイギリス英語母語話者を被験者とする実験を行い、強勢衝突と強勢移動の関係についてこれまでの文献で記述されているケースに収まらない現象を見出しつつある。強勢移動は必ずしも強勢衝突を引き金とするのではなく、強勢衝突がなくても一見強勢移動が起こっているように見える音声現象の説明として、句頭のピッチアクセント付与と句末の長音化を提案している。この分析をまとめ、来年度の音声関係の学会において口頭発表する予定で引き続き準備を進めている。
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Research Products
(1 results)