2007 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを用いた押韻俗語表現の音韻的反復とテクストにおける語句反復に関する研究
Project/Area Number |
18520382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 眞一郎 Osaka University, 言語文化研究科, 教授 (90116145)
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Keywords | 英文コーパス / 語句反復 / 押韻俗語表現 / テクスト研究 / 英語文体論 / コーパス言語学 / 学術論文コーパス / ジャル別テクスト |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、種々のジャンルの英文テクストのコーパス・データベースを利用して、言語における「反復」の用法と機能について研究し、これを明らかにすることである。 本年度は、(1)昨年度に引き続き、押韻俗語表現の実際例を収集するとともに、小説、随筆、学術論文、広告文、新聞記事、演説等の各ジャンルの英文テクストにみられる語句反復の使用例の収集を続け、分析研究を進めた。(2)語句反復に関する研究成果の一部は5月24日から27日にかけてノルウェーのベルゲンで開催された北欧英語学会第十回大会(The Tenth Conference of the Nordic Association for English Studies)において"Repetition and the Theme of a Text"と題して口頭発表を行った。この発表では、テクストを特徴づける指標としての反復が小説というジャンルにおいてどのような機能を果たしているかについて、Charles DickensのOliver Twistを取り上げて論じた。(3)語句反復の機能のひとつとしてあげることができるのがテクストの主題を示す指標としての機能である。一般的に言って、テクストの主題を示す語句が最も頻繁に反復されると考えられるが、語句反復の用いられ方は、テクストのジャンルによってかなり異なる。そこで、異なるジャンルのテクストにおいて主題の指標としての語句反復がどのように異なるかについて、現在各種コーパス・データベースおよび現在作成中の特殊コーパス(学術論文、広告文等既存のデータベースではあまり扱われることのなかった英文資料)を用いて多角的に分析を進めてきた。次年度にその成果をまとめるための準備は整ったと言える。
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