2008 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを用いた押韻俗語表現の音韻的反復とテクストにおける語句反復に関する研究
Project/Area Number |
18520382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 眞一郎 Osaka University, 大学院・言語文化研究科, 教授 (90116145)
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Keywords | コーパス / テクスト研究 / 押韻俗語表現 / 英語文体 / 音韻反復 / 語句反復 / 脚韻 / 文体的特徴 |
Research Abstract |
小説、随筆、学術論文、広告文、新聞社説、演説といった種々のジャンルのテクストを取り上げ、これらのテクストにおける語句反復の使用例を分析することによって、その反復の用法と機能を考察する。科学研究費の交付を受けた3年間の最終年度にあたる本年においては、研究課題の以下の目的を達成できた。(1)8月26日より10月1日までの間、連合王国のロンドンにて現代口語英語の実際について現地調査を行った。このフィールドワークにより、押韻俗語表現に関する体系的な研究を完成させるための文献では得られない資料を得られ、同表現の使用について研究成果の幅を広げることができた。(2)小説、随筆、学術論文、広告文、新聞社説、演説の各ジャンルのテクストにおける反復の様々な使用例を分類整理してきたが、この実績に基づいて各ジャンルのテクストにおける語句反復の用法に関する特徴を抽出し、その機能について考察した。(3)異なるジャンルのテクストに見られる反復の用法の違いを基にして、ジャンル間における語句反復の用法に関する示差的特徴、および反復の機能の違いについて分析した。(4)英語と日本語のテクストにおける語句反復の使用例とその機能の違いについて考察した。特に、同じ意味内容を伝える複数のテクスト(オリジナルテクストの英語翻訳テクストと日本語翻訳テクスト)の比較により、英語と日本語の言語間での語句反復の用法と機能の違いを考察し、明らかにする。上記3つの問題に関する研究成果を『テクストにおける反復の用法と機能』と題する著書にまとめて、これを出版し、言語学的なテクスト研究の分野に貢献したいと考えている。
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