2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18520383
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
島 越郎 Yamaguchi University, 人文学部, 准教授 (50302063)
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Keywords | VP-ellipsis / Psedudogapping / Gapping / Stripping |
Research Abstract |
今年度は、英語における次の四つの削除文について研究を行った(取消線箇所が削除箇所を示す)。 (1)a.John ate an apple and Mary did too. b.John ate an apple and Mary did an oragne. c.John ate an apple and Mary an orange. d.John ate an apple and Mary too. (1a)は動詞句削除(VP-ellipsis)、(1b)は擬似空所化(Pseudogapping)、(1c)は空所化(Gapping)、(1d)は単一要素残置(Stripping)と呼ばれる削除文である。これらの削除文は次の類似点と相違点を示す。 (2)a.動詞句削除と擬似空所化は、等位接続詞andで結ばれた等位節以外に、従位接続詞で導かれる節においても生起できるが、空所化と単一要素残置は等位節にのみ生起する。 b.動詞句削除と擬似空所化は主節以外に埋め込み節においても生起できるが、空所化と単一要素残置は主節に限られる。 c.動詞句削除の場合、発話文以外に談話の状況も先行詞に取れるが、擬似空所化と空所化と単一要素残置は発話文のみを先行詞に取る。 d.動詞句削除は一つの構成素を形成しない複数の要素を分離先行詞として取れるが、擬似空所化と空所化と単一要素残置は分離先行詞を取れない。 これらの特徴を、(i)動詞句削除と擬似空所化はTPから構成されるのに対し、空所化と単一要素残置はvPから構成される、(ii)動詞句削除では動詞句最大投射が削除されるのに対し、擬似空所化と空所化と単一要素残置では指定部vPに位置する残留要素を除く動詞句投射が削除される、という二つの仮説に基づいて体系的に説明することを試みた。
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