2006 Fiscal Year Annual Research Report
音声データによる統語論と音韻論のインターフェイス研究
Project/Area Number |
18520388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
時崎 久夫 札幌大学, 外国語学部英語学科, 教授 (20211394)
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Keywords | インターフェイス / ピッチ / ポーズ / 句構造 / 音韻構造 / プロソディ |
Research Abstract |
理論的研究として、句構造を音韻構造に写像する規則を考察し、それが音韻論・統語論で有用であることを博士論文にまとめ、筑波大学に提出した。 実証的研究として、被験者を集め、例文の発音を録音して、パソコンに音声ファイルとして記録した。実験・データ収集および分析は、補助を依頼し、音声分析ソフトを使った。結果を表計算ソフトでまとめ、考察を加えた。 語頭の低ピッチは、その語が生起する環境によって、高さが異なることを、第4回日米音響学会ジョイント・ミーティング(2006年11月28日(火)-12月2日(土)、ハワイ・ホノルル)において発表した。 発話の速度とピッチ・ポーズおよび統語構造の関係については研究成果を、第4回ヨーロッパ音韻論学会(Old World Conference in Phonology 4,2007年1月18日-21日、ギリシャ・ロードス)において発表した。 これら2つの発表で、発話の速度が上がれば、ポーズは短くなり、ピッチの変化も小さくなること、また統語構造が複雑になればポーズは長くなり、ピッチの変化が大きくなることを示した。それにより、理論的研究で示した句構造から音韻構造への写像規則が、実際の言語運用に働いていることを論じた。 しかしデータは必ずしも一定ではなく、さらに多くの被験者に当たる必要があるが、これは2年度目以降の課題としたい。 また、発表を論文にまとめる作業も進めているが、まだ完成には時間がかかる。できるだけ早くまとめて活字の形で発表したいと考える。
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