2008 Fiscal Year Annual Research Report
音声データによる統語論と音韻論のインターフェイス研究
Project/Area Number |
18520388
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
時崎 久夫 Sapporo University, 外国語学部, 教授 (20211394)
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Keywords | インターフェイス / ピッチ / ポーズ / 句構造 / 音韻構造 / プロソディ |
Research Abstract |
実証的研究として、昨年度に引き続き、被験者を集め、例文の発音を録音して、パソコンに音声ファイルとして記録した。成果を、2008年4月、Experimental and Theoretical Advances in Prosody (Cornell University, April11-13,2008)で発表したが、その際のコメントに基づき、今年度は英語話者に対してデータを収集した。実験・データ収集および分析は、補助を依頼し、音声分析ソフトを使った。結果を表計算ソフトでまとめ、考察を加えた。これにより、日英語で逆の結果が得られ、新事実として理由の考察を開始した。英語では、逆接の接続関係の2文の間の境界が強いのに対し、日本語では、順接の接続関係の2文の間の境界が強いことがわかった。これは日英語で、枝分かれの方向が逆であることに起因するものと考えられる。この成果は、次年度の2009年9月、Discourse-Prosody Interface, Parisで発表したいと考える。 また、日本語と英語に限らず、さらに考察の範囲を他の言語にも広げた。韓国語についても考察し、韓国語の音節構造は一般に考えられているよりも簡単であることを、韓国音韻論学会で成果として発表した。世界の言語についてもデータベースを使った研究を進め、ミュンヘンでの子音連続に関する学会で語順との関連があることを発表した。これは次年度も継続していく予定である。
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