2008 Fiscal Year Annual Research Report
言語進化理論からみた英語史における「統語的埋め込み構文」の創発の意味について
Project/Area Number |
18520392
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大澤 ふよう Hosei University, 文学部, 教授 (10194127)
|
Keywords | 統語構造 / 進化 / 埋め込み構文 / 創発 / 英語 / 機能範疇 |
Research Abstract |
今年度は、英語の発達の過程は、意味とは切り離された、文法的存在、すなわち機能範疇(具体的には冠詞や助動詞)の発達の過程としてとらえられ、このような変化は、英語が統語構造優位の言語に変化しつつあることを表しているということを、証明するための研究を行った。統語的埋め込みは、概念の中に概念を埋め込むという、しかも、それが単なる意味的なもののみに基づいているのではなく、構造に基づいて行うという,人間言語にしか存在しない特有なものであることを論じた研究論文を、ドイツのPeter Lang社から出版された論文集に、掲載した。 8月にミュンヘン大学で開催された、第15回lnternational Conference on English Historical Linguistics(国際英語歴史学会)に、Impersonal and passive constructions:from a viewpoint of functional category emergence: What happened to them in the History of English?というタイトルの論文を応募し受理されたので、発表した。この論文は、上記の研究課題に関連した研究で,機能範疇が存在しないか、あまり発達していない言語における統語規則の在り方に関しての研究である。また、11月に筑波大学で開催された第26回日本英語学会において「機能範疇の創発-通言語的視点から」と題したシンポジウムを企画し開催した。広島大学、首都大学東京、日本大学の研究者とともに、機能範疇創発の観点からの言語変化について、名詞句の中での埋め込みとしてのDPの創発、節の中に別の節が埋め込まれる現象、すなわちCPの創発などについて、発表および討論をおこなった。 これまでの研究の一応の集大成となり、また、今後の新たな研究への展望が開けた。
|
-
[Journal Article] Recursion in Language Change.2008
Author(s)
Fuyo Osawa
-
Journal Title
Historical Englishes in Varieties of Texts and Contcxts. (Studies in English Medieval Language and Literature Series. Vol. 22) Peter Lang Publishing.
Pages: 355370
Peer Reviewed
-
-