2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山田 伸子 茨城大学, 留学生センター, 教授 (50241740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有冨 美代子 茨城大学, 人文学部, 教授 (30125794)
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 教授 (40092514)
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Keywords | 無意識 / 脳波 / MMN(mismatch negativity) / 留意 / ピッチ・パタン / ERP(event related potential) |
Research Abstract |
1.無意識の状態でピッチパタンの変化を留意するかどうかについて、次の予備的仮説を立てた。 (1)日本語学習者も母語話者も、脳は無意識の状態でピッチパタンの変化に反応する。 (2)反応の仕方はピッチパタンによって異なる。 (3)ピッチパタン変化の無意識の留意は、発話末のピッチ下降現象に影響される。 2.仮説検証のために、次の実験計画を策定した。 (1)調査対象者は、日本語学習者9名および母語話者9名とする。 (2)刺激音は自然音によるピッチパタンLHH(平板型)およびLHL(中高型)とし、「papapa」の3モーラ無意味語を使用する。 (3)刺激音は、LHH低頻度(LHH100回+LHL400回、刺激間インターバルISI:500mc)およびLHL低頻度(LHL100回+LHH400回,ISI:500mc)の2条件で、ランダムにパソコンを使って提示する。 (4)対象者は、防音室でリラックスした状態で無音声のアニメ・ビデオを見、刺激音は無視してビデオに注意を集中するように求められる。 (5)対象者は電極キャップを装着する。頭皮上の9部位の脳の電気的活動をEEGとしてパソコン上に記録する。 (6)記録されたデータ(EEG)から刺激音以外に対する反応を除去し、加算平均し、ERP波形を出す。 更に対象者グループおよび各条件の刺激音毎に総加算平均する。 (7)刺激音の第3モーラに対する反応を分析対象とし、第3モーラの提示前100mc〜提示後400mcを分析区間としてERP波形を出す。 (8)ERPの低頻度刺激の反応から高頻度刺激の反応を引き算して、MMN成分の波形を出す。 3.以上の計画に従い、18名の対象者の脳波を測定し、MMN波形を出した。MMNは、無意識状態でも得られる成分で、高頻度の刺激音が低頻度の刺激音に変わった時の脳の電気的活動であり、刺激音の変化を留意したことを示す。 4.実験結果の分析を進めている。
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