2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520397
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
有冨 美代子 Ibaraki University, 人文学部, 教授 (30125794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 教授 (40092514)
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Keywords | 日本語アクセント / 中国語母国語話者 / 無意識処理 / 脳科学 / 事象関連電位 / MMN |
Research Abstract |
1.前年度実施の実験結果の統計分析:群(中国語母語話者vs日本語母語話者)、条件(LHH:平板型/papapa/低頻度で中高型/papa'pa/高頻度vs LHL:中高型低頻度で平板型高頻度)、部位(9部位)の3要因分散分析の結果、条件と部位の交互作用が有意であった(F[8,128]=3.37,p<0.05)。下位検定の結果、両対象者群ともLHH条件では、Fz(F[1,17]=5.56,p<0.05)およびF3(F[1,17]=6.67,p<0.05)でLHL条件より有意に大きいMMNが出現していた。 2.実験結果の考察 (1)刺激音が無意味語(papapa)であれば、脳活動の様相は母語の違いによる影響はない。 (2)両条件とも同じ刺激が頻度を変えて使用されており、条件間でのMMNの差は刺激音のピッチパタンの違いによるものと考えられる。一語文を含む発話末のピッチ下降現象は一般に知られており、多くの言語に見られる現象である。研究で用いた刺激音の第3モーラは、平板型ではわずかなピッチ下降なのに対し、中高型では第2モーラにアクセント核があるため下降が著しい。そのため平板型は中高型に比べ不自然に感じられ、LHH低頻度条件ではMMN平均振幅が増大したものと考えられる。 3.実験結果の意義と重要性:脳活動からみた日本語アクセントの無意識的受容はピッチパタンが影響していることが示唆された。このようにアクセント知覚を脳活動で検証したのは初めてであり、注目される。 (平成19年9月で研究代表者だった山田が退職したため、10月より有富が研究代表者として受け継ぎ、山田は研究協力者として研究を継続した)
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Research Products
(4 results)