2006 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語不安を操作し日本語能力を高めるe-learning日本語学習環境
Project/Area Number |
18520402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西谷 まり 一橋大学, 一橋大学留学センター, 准教授 (80281004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 稔樹 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (60173845)
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Keywords | 言語不安 / e-learning / フィードバック / 日本語教育 |
Research Abstract |
本研究は、第二言語不安は学習を促進することもあれば阻害することもある、という立場にたつ。本研究の目的は、第二言語不安を操作し日本語能力を高めるe-learning日本語学習環境を探ることである。 本研究が具体的に明らかにしたいことは以下の3点であった。1.第二言語不安傾向の違う学習者に対する、効果的な事前の言葉かけ、フィードバックの方法について検証する。2.通常の教室環境とe-learningのそれぞれにおいて、第二言語不安の変化、フィードバックの効果について検証する。3.効果的な学習指導のために知ることが必要な学習者特性を、第二言語不安を中心に検討する。 第一の課題である「第二言語不安傾向の違う学習者に対する、効果的な事前の言葉かけ、フィードバックの方法について」実験を行った。第一の実験は日本語上級レベルの学習者19名を対象に4ヶ月にわたって行われた。事前調査に基づいて、言語不安を操作するフィードバックを返す実験群と、返さない統制群に分けた。不安高グループには不安を軽減させるメッセージ、不安低グループには不安を高めるメッセージを送った。実験群の不安高グループの不安は軽減し、不安低グループの不安は一時的に高まり元の水準に戻ったが、統制群との比較では不安の変化に有意な差は見られなかった。しかし、学習態度には大きな違いが見られたしたがって、学習者の不安を操作するフィードバックメッセージを返すことによって、学習を促進し、学習効果を高めることができる可能性が示唆された。第二の実験はラオスにおいてe-learningを利用して行われた。不安傾向の高低によって正解・不正解の場合にそれぞれに異なるフィードバックメッセージを出す実験を行った。この実験は継続中であり、分析の過程にある。
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Research Products
(2 results)