2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア言語の破裂音の相互類似性と言語習得への干渉
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18520407
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福岡 昌子 Mie University, 国際交流センター, 准教授 (70346005)
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Keywords | 日本語教育 / 第2言語習得 / 破裂音 / 北京語 / 上海語 / 韓国語(ソウル方言) / MRI / 喉頭筋電図 |
Research Abstract |
平成20年度は、下記の実験を継続し分析を行った。 (1) 実験概要:〔A〕MRI実験では、昨年度新たに得られた被験者データを分析し、北京語・上海語・ソウル語・日本語の破裂音について、横断的に分析を行った。〔B〕喉頭の筋電図実験については、昨年度実験当日に辞退者が出たため、倫理委員会による審査を経て、再度被験者に実験協力を仰ぎ、協力実験大学において実験を行い、データを分析した。 (2) 研究成果と分析結果: 研究成果としては、"Pitch Pattern of Words Including Plosives in Word Initials Pronounced by Korean Japanese Language Learners"『日本語教育学世界大会2008』(於:釜山外国語大学)において発表を行った。また、『日本語教育の過去・現在・未来』(凡人社)に韻律に関する論文を掲載した。下記の内容が本研究の結果として示される。 〔A〕MRI研究:北京、上海、ソウル方言話者が北京語・上海語・ソウル語・日本語の破裂音を発音している喉頭のMRIデータを横断的に分析した結果、日本語話者の有声破裂音及び韓国語話者の語中の平音には、声帯の開口度に類似性が観察された。 〔B〕喉頭筋電図実験:EGG(electroglottogram)による分析の結果、日本語、上海語の有声破裂音、韓国語の平音の筋電図に、共通の声帯接触による振動が見られた。また、日本語の無声破裂音においても、上海語の無気音、韓国語の濃音と共通したEGGの結果が見られ、日本語の無声破裂音の類似性がうかがわれた。
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Research Products
(5 results)