2009 Fiscal Year Annual Research Report
英語能力育成を目指した小・中連携による英語教育実践の縦断的調査
Project/Area Number |
18520430
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
白畑 知彦 Shizuoka University, 教育学部, 教授 (50206299)
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Keywords | 沼津市の言語教育特区 / 小中連携 / 小学校での英語活動 / 英語能力の伸長 / 異文化に対する態度面の育成 |
Research Abstract |
本科研費は、平成21年度が最終年度であった。平成18年度から4年間にわたり、沼津市の「言語教育特区」における「英語教育」について授業を参観し、共同で教材を作成し、そして英語能力に関する習得データを取ってきた。沼津市の言語教育特区の目的は、「言語力」である。日本語と英語(外国語)の両方で、他者とことばを用いた対話のできる子ども達を作ろうというのが目的であった。その中でも特に、英語能力、英語でのコミュニケーション能力の育成の成果を観察し、分析しようと試みたのが本研究である。 研究目的の1つは、「なぜ小学校から英語活動をする必要があるのか?」という疑問への回答を見出すことであった。その答えとして、英語や外国人に対する恐怖心、劣等感を払拭し、お互いに同等の人間であることを身につけさせることであった。生徒へのアンケート調査や、授業中の振る舞いを分析すると、この期待は十分に達成できているという研究成果が出た。ただし、小学校6年次での英語の聴く力と話す力は、それほどついてはいないことも判明した。 また、中学3年生修了時点での英語能力を確実につけたいとう目標は、達成できたところと、達成できていないところがあった。間違いを恐れずに話そうとする態度面での向上は認められたが、文法能力に関しては著しい伸びは認められなかった。 沼津市全体で英語能力を向上しようとすることは、かなり大変であることが判明した。英語の時間が週3時間から4時間に増えた点と、小学校からの英語教育の導入でも、全体的な底上げをすることはなかなか大変だということである。もう1つ分かったことは、沼津市教育委員会からの指示を撤底することは難しいということである。各教員間で温度差があり、全員に浸透させるには長い年月が必要なのである。 研究成果は引き続き2010年度でも発表する予定である。
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Research Products
(2 results)