2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際コミュニケーションにおける変種英語発音の許容性とその教育的意義についての研究
Project/Area Number |
18520437
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
多良 静也 Kochi University, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (00294819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 秀樹 高知工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (90342576)
谷口 雅基 高知大学, 教育研究部人文社会学系, 教授 (90163633)
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Keywords | 英語変種発音 / 音声学 / 英語教育 |
Research Abstract |
今年度は,まず高専生66名を対象に英語発音学習に対する意識調査を行った。主な結果として,英語教師の発音が高専生の学習モデルになっていない,発音の上達願望が強い,発音の学習で困難点を抱えているが解決することができずそのままになってしまっている,といったことがわかった。次に英語変種発音の聴き取りに関する調査を行った。最初に変種発音のデータ収集を行った。様々な変種が世界中には存在するが,その中からインド英語を選定した。そしてロンドン大学の音声学者が推薦するRP話者をいわゆる標準英語発音として選定した。この二人に対して,英検2級リスニング問題集の中から難易度をそろえたそれぞれ10問を音読してもらい録音した。次にこの録音データを利用して,日本人英語学習者が英語変種発音を聞いたときのパフォーマンスについて実験を行った。被験者は大学生60名(上位群30名,下位群30名)であった。被験者にはリスニングの解答と同時にその答えの自信度を3段階で評価してもらい,さらにすべての問題終了後,リスニング対象となった発音が聞きやすかったかどうかを5段階で評価をしてもらった。主な結果としては,インド英語とRPの違いによる音声知覚上の特性の影響が認められ,下位群は音声知覚上の特性による困難さと内容を理解するのに十分な英語力の不足による困難さの2つの要因が混濁していることが認められた。上位群については,標準英語とされるRPにくらべて,音声上の特徴が著しい英語に対する音声上の課題,また,下位群については音声上の課題と言語上の課題が挙げられる。
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