2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520438
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西川 盛雄 Kumamoto University, 教育学部, 教授 (30040489)
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Keywords | 松江 / 英語添削 / 大谷正信 / 田辺勝太郎 / ガラス乾板 / 西田千太郎 / クレオール / ハーパーズ・マガジン社 |
Research Abstract |
本研究の本年度の目的は(1)松江時代にハーンが英語の授業で学生に書かせた英作文のガラス乾板95枚が熊本県立図書館において発見されたものを読み進め、ページ番号を整え、各ページの英文(大谷正信と田辺勝太郎の二人の学生とハーン先生自身による手書きの分)の判読、復元を進めることであった。そしてこのことは達成できだ。この内容は英語教育者ハーンのスタンスの実像にせまる貴重な学術調査研究であると言える。さらに現在英語原文テキストの判読、復元に加えて日本語訳を付けて整備し、科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の申請をしているところである。 もう一つの目的は(2)英作文の授業でハーンが学生に与えたテーマを分類し、添削の実例を整理し、ハーンの英語教師としての実像を検証することであった。これについて筆者はハーン作品の原文テキストに基づき、彼自身異文化を生きた経歴やニューオーリンズ時代でのクレオール体験を加味して(1)ジャーナリスト・ハーン、(2)教育者ハーン、(3)民俗学者ハーン、(4)翻訳者ハーン、(5)作家・文学者ハーン、そして(6)科学ジャーナリストハーンといった彼の多面性を明らかにする目的で学術硬究書『ハーン曼茶羅』(北星堂)を編著者として出版した。ここでは英語教師ハーンのスタンスとハーンの言語観について具体的資料に基づいて明らかにした。さらにハーンのガラス乾板について触れられている新資料「木下順二が丸山学に送った書簡」の日付について論考を加え、これを世に紹介した。
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Research Products
(1 results)