2006 Fiscal Year Annual Research Report
音声リズムにおける「らしさ」の解明と外国語教育への応用
Project/Area Number |
18520452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
新倉 真矢子 上智大学, 外国語学部, 助教授 (70338432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 勉 上智大学, 大学院・外国語学研究科・言語学専攻, 非常勤講師 (10053654)
小島 慶一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90234757)
平坂 文男 関東学院大学, 文学部, 教授 (80173227)
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Keywords | 〜語らしさ / 言語のリズム / 外国語教育 / 英語:ドイツ語:フランス語 / 音声言語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、音声言語に含まれるその言語「らしさ」を解明し、外国語教育に応用することである。言語「らしさ」とは、外国語で音声コミュニケーションを行う際に発話意図が正しく母語話者に伝わり、同時に母語話者にとっても違和感なく受容できる程度の言語音声を指す。外国語音声の習得において音声のリズムがその言語「らしさ」を最もよく反映するパラメータの一つと考えられ、リズムを正しく捉え、リズム単位の発話ができることは相互理解を行う上で欠くことができない。特に本年度の目的は、対象外国語の発話単位であるリズムを分析し、「らしさ」を音響的側面から調べることであった。 リズムを構成する単位は、言語によりストレスもしくはシラブル、モーラを基本単位として循環的に繰り返す。この言語リズムの類型は音節構造に由来し、発話中の母音長と子音長の割合およびその標準偏差が言語「らしさ」を特徴づけると考える。このため英語、ドイツ語、フランス語の3言語の発話中の母音および子音を音響分析ソフトや機器類を用いて音響パラメータを測定し、値を分析した。3言語の母語話者各5人の発話を音声学研究室付属防音室、CALL準備室などで録音し、これを各言語の日本人上級学習者15人、初級学習者15人計30人ずつと比較して、母語話者と日本人学習者の発音の実態を調べた。テスト文は平叙文、決定疑問文、補足疑問文、命令文、従属文各5文の計25文である。 母語話者、日本人学習者の発話を定量的に検証した結果、英語、ドイツ語、フランス語のそれぞれを特徴付ける値が示された。また、特に日本人の初級学習者の文アクセント位置にも3言語に共通する特徴が観察された。さらに3言語とも母語話者、上級学習者、初級学習者の順で子音の標準偏差に有意な値が得られ、学習による上達の差異が示唆された。
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Research Products
(7 results)