2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者のメタフォリカルコンピテンスに関わる母語(日本語)知識の功罪
Project/Area Number |
18520469
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
東 眞須美 Kobe Design University, 名誉教授 (80212504)
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Keywords | 比喩・メタファー / イディオム / スキーマ / 認知・イメージスキーマ / セマンティックフィールド / 意味の拡張 / 言語と文化 / 語彙・語彙知識 |
Research Abstract |
本研究は、微妙なニュアンスを含む比喩的表現(メタフォリカルな表現)の理解に及ぼす母語知識の「功」・「罪」(メリット・デメリット)をはっきりさせ、学習者の英語力向上・活性化を目指すものである。目的どおり、どのような表現が日本人英語学習者にとって困難であるか、何が困難さの原因となっているか、理解の際に認知・イメージスキーマ、その他の認知作用がどのように功・罪として働くか、を分析した。 検証手段にテスト(M Cog Test)を用い、帰納的・演繹的に分類・分析し、功を活用してスムースで高度な言語能力にどのように繋げられるか、リスクを避けるためにどのような注意が必要であるか等を考察し、本研究は予定通り達成した。 さらに、外国語としての英語学習者にとって、全ての面にわたって語彙力が関わるので、語彙力と比喩的表現との相関性を検証した。本研究は英語概念と日本語(英語に直訳)概念の交差研究でもあるので、日本語話者と英語話者の認知の様相を比較した。表現の捉え方において、上者が局所的な捉え方をする(これは英語が母語でないので致し方ない)のに対して、後者は包括的な捉え方をすること、両者ともに解釈において母語知識・心的イメージの活性化を主に利用すること、などが解明できた。 思考と認知関しては、比喩的表現の解釈に普遍的アナロジー(universal analogy)が大体においてプラスの効果をするが、微妙な分岐点があり、そこから先はそれぞれの文化背景的知識の作用が避けられないことを探索した。これは文化の特性と言語との関わりとして重要な部分である。根底をなす概念的要素なる言語表現では日本語話者の理解と英語話者のそれがコインの表・裏の関係になるので、このような点に注意すればコミュニケーション齟齬の回避に繋がることも判明した。
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Research Products
(5 results)