2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520484
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
嶋村 元宏 Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History, 学芸部, 主任学芸員 (40261193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅沢 恵 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (60415966)
角田 拓朗 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (80435825)
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Keywords | ペリー / 黒船 / 肖像 / ネットワーク / 大槻磐渓 / 高川文〓 / 儒者 |
Research Abstract |
当初の計画通り、昨年に引き続き資料所蔵機関データベースの構築を行うとともに、実地調査を精力的に行った。 まず、資料所蔵機関データベースは、すでに公刊されている図録および目録によりデータの追加を行った。 つぎに実地調査は、頼山陽史跡資料館において、『浦賀記行』、『嘉永外夷視察報告』を、安芸高田市吉田歴史民俗資料館では、『黒船絵馬』を、福井県立図書館松平文庫、福井市立郷土資料館松平春嶽記念文庫、金沢市立図書館加越能文庫、長崎大学附属図書館武藤文庫に含まれる関係資料を、長崎歴史文化博物館ではペリー関係資料とともにプチャーチンの肖像を、桑名市博物館桑名松平家文書、名古屋市図書館蓬左文庫では、『アメリカ人衣冠其保か図』、『浦賀渡来アメリカ人図』他15点を、北海道立公文書館箱舘奉行関係文書、下田了仙寺では下田渡来絵巻など14点を実見するとともに、必要な部分については、写真撮影を行った。 この調査の過程で、ペリー情報の伝達に各藩の儒者同士のネットワークが関係していること推測できた。この点については、広島県立歴史博物館の学芸員から専門的な知識の提供をうけた。 また、ペリーの肖像そのものではないが、瓦版として流布したペリーなどの肖像とともに版行されたと考えられていたいわゆる「黒船の図」について、安政2年に絵馬が奉納されていた事実が確認できたことにより、「黒船の図」の成立年代が、安政2年以前であることが確定できた。 最終年度は、不足している資料調査を行うとともに、儒者グループによるペリーの肖像画の伝達について考察を加え、本研究の総括とする予定である。
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