2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520508
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
原田 信男 Kokushikan University, 21世紀アジア学部, 教授 (20208680)
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Keywords | 中世史 / 履歴地理学 / 考古学 / 近世史 / 環境 / 村絵図 / 平地部 / 多摩川 |
Research Abstract |
平成19年度は、これまで整理してきた史料の検討に重点を移しつつ、史料の収集対象を、日野・八王子の周辺地区にまで拡大し、絵図のデータ化を行うとともに、確認調査を実施した。このため日野・八王子地区において、研究協力者とともに、平成19年6月15日〜17日・同8月11日〜12日・同10月14日、同12月8〜9日、平成20年3月8〜9日に、調査研究会を八王子市内にて実施した。とくに近世村落として、主要な研究対象となる八王子市の旧石川村に関しては、昨年に整理を完了した源原家の古文書の本格的な検討に入った。その結果、源原家・石川家などに所蔵される村絵図の検討から、当地域における目野用水の重要性が明らかとなった。また多摩川流路や用水路の変化についても新たな知見が得られ、日野用水に関係する用水相論・開発地相論などの実態についても解明が進んでいる。なお江戸城普請によって、多摩川の砂利が大量に供給され、これが当地域における水害の一因となっていることも判明した。さらに当地域の開発関連文書である平家文書・関根家文書の検討から、山間部の土地利用に、林業および焼畑が重要な位置を占めることが分かった。なお考古学関係では、八王子市石川天野遺跡、同宇津木台遺跡・日野市七つ塚遺跡からの出土遺物を検討した結果、これまでの実測図に問題があることも指摘された。また旅費申請は行っていないが、国士舘大学鶴川校舎および立川市内において、平成19年4年4日・5月16日・7月18日・9月25日・11月6日・1月28日・2月29日にも、研究会を開き当地域における旧石器時代から、近世に至るまでの開発発展史における問題点を指摘し、その概要をほぼ見渡しうるに至った。
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