2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520524
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
尾崎 耕司 Otemae University, 総合文化学部, 准教授 (10309396)
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Keywords | 日本史 / 19世紀 / 公衆衛生 / 行政 / 国際情報交換 / イギリス:ドイツ / 自治 / 身体 |
Research Abstract |
後藤は、1876年から勤務した愛知県病院でA・ローレッツに師事するなどを通して、ドイツ学の影響を強く受けた。なかでもドイツの衛生医官Louis-Pappenheimの著作から強ぐ影響を受けたことを本人も認めている。そして、そのPappenheimらの著作を通じてイギリスの公衆衛生制度、特に1871年創設のthe Local Government Board(以下、LGB)と、その創設に尽力したイギリスの衛生家John-Simonの思想に注目している。そこで、ここから本年度は、2007年8月23日〜9月3日にかけてドイツおよびイギリスでの海外調査を下記の通り実施した。1.まず、ドイツでは、ベルリンにあるドイツ国立図書館に赴き、Pappenheimの業績を記した文書(Monatschrift fur exacte Forschung auf dem Gebiete der Sanitats-Polizei/Hrsg.von Louis Pappenheim,Berlin:Springer,1860-1862)を閲覧、複写物を持ち帰った。2.また、イギリスにおいては、まずロンドン大学図書館のSPECIAL COLLECTIONSを訪れ、そこに収められるCHADWICK PAPERSを閲覧して、E.Chadwickの公衆衛生改革、特に彼がそのために設立した会社(下水会社など)に関連する文書の調査をおこなった。また、昨年度に引き続きPublic Record Officeに赴き、JOHN Simonに関係する公文書の調査を進め、時間の許す限り文献の閲覧をおこない、複写物を持ち帰った。 また、2007年は、後藤新平生誕150年にあたり、東京市政調査会(後藤がその設立に深く関わった)が発行する『都市問題』の記念号で、後藤の衛生局時代の動向についての論考を発表した。
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