2006 Fiscal Year Annual Research Report
幕末・明治前期における電気機械及び器具製造業の発達に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18520528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
前島 正裕 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究員 (50209368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雄造 東京農工大學, 大学院・工学研究科, 教授 (60055225)
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Keywords | モノづくり / 近代史 / 電気技術史 / 産業史 |
Research Abstract |
本年は研究期間3年の初年度に当たるため、まず幕末から明治前期にかけて電気に関する仕事に携わっていた個人や集団の全体像の把握と、先行研究や基礎文献から抽出したデータのリスト化を行い、さらに現存する実物資料の現地調査を行った。主要な活動および成果は以下である。 1)基礎文献の調査 日本電気事業発達史、明治工業史電気編、帝国大日本電信沿革史、工部省沿革報告や官員録など、明治期の電気産業に関する基本文献より、電気機械・器具製造者および関係者のデータを約250件収集し、リスト化をした。 2)明治初期の電気関連職種および電気工作物の把握 上記リストから漏れる電気に関する職種、団体及び個人を拾い出すため、内国勧業博覧会等の出品目録、各地の商工名鑑・独り案内および公文書などを調査し、電気治療器、電気鍍金、硝子や電気器具などの小町工場や職人などに関するデータ約50件を、上記1)リストに追加した。 3)現存理科教育教材資料調査 現存数が少ない明治初期につくられた電気器械・器具のなかで、比較的良く残っているのが理科教育教材である。そこで各旧制高校由来の器機についてその実態を調査し、本年度はその中から、金沢大学と石川県立自然史資料館に所蔵されている4高および、熊本大学に所蔵されている5高資料について現地で実地に調査を行った。 4)発電機調査 明治初期に製造された電力器機を把握するため、東京大学の所有で東京電力(株)電気の史料館に展示されている国産交流発電機と国立科学博物館が所有する発電機部品を比較調査し、国立科学博物館研究報告にその結果を報告した。
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