2006 Fiscal Year Annual Research Report
内蒙古東部における青銅器文化関係資料の調査に基づく先秦時代北方民族の研究
Project/Area Number |
18520537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉本 道雅 京都大学, 文学研究科, 教授 (70201069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 智慧子 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (70331105)
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Keywords | 内蒙古東部 / 青銅器 / 先秦 / 北方民族 / 夏家店上層文化 / 敖漢旗 / 赤峰 / 寧城 |
Research Abstract |
2006年6月13日付で共同研究項目について敖漢旗博物館に提示し、田彦国館長の快諾を得た。8月6〜12日、研究代表者・共同研究者両名にて、内蒙古東部地区の現地調査におもむき、敖漢旗博物館の夏家店上層文化を中心とする青銅器文化関係文物の資料調査を行い、あわせて田彦国館長・邱国彬副館長と懇談し、夏家店上層文化に関する現地発掘担当者としての所見を聴取した。さらに同館の館蔵文物の撮影を行い、館員の案内で、燕北長城附属の方城遺址(斉大窩鋪戦国城址)を参観し、陶片を収集した。また同館刊行の資料を恵贈いただいた。同調査期間に、赤峰市博物館・寧城県博物館(遼中京博物館)・翁牛特旗博物館にもおもむき、館長・副館長と懇談するとともに可能なものについては撮影を行った。9月20〜23日、大連民族学院において開催された「首届中国満学高峰会議」に参加し、研究発表を行うとともに、中国東北地区各地の研究者と懇談した。会期中、大連大学を訪問し、王禹浪教授と懇談するとともに、附属博物館を参観し、資料の写真撮影を行った。これらの機会に撮影した写真については全てデジタル化した。 敖漢旗博物館などにおける現地調査の結果として、(1)学術雑誌などに公表されていない資料がなお大量に存在する、(2)内蒙古東部地区の青銅器文化の類型・編年につき、赤峰市区の博物館の間においてさえ見解の相違がある、(3)夏家店下層文化と夏家店上層文化の間には一般的に文化的空白が報告されているが、敖漢旗博物館ではこの空白期に相当する遺物を発見し、「柳南類型」と命名している、(4)『中国文物地図集・内蒙古分冊』は公刊された調査資料としてはもっとも包括的だが、それでも主要な遺跡しか掲載していない。また採用された公式の地名と現地の通称の間には齟齬があり、そのことが報告書にも反映されている、などの重要な所見を得た。
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Research Products
(7 results)