2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
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Keywords | 清代 / 沿海航運 / 帆船 / 膠州 / 青島 / 寧波 / 虞洽郷 / 漂流民 |
Research Abstract |
研究課題「清代沿海航運史の研究」を実施するため、2006年8月21日から8月30日にかけて中国の山東省の青島市、膠州市、済南市、徳州市などで現地調査を行った。清代における沿海航運の東北沿海の帆船の旧港であった膠州湾の史蹟調査及び、青島档案館における帆船航運関係の資料の収集及び山東省内陸部における物資の流通事情について山東省の省都である濟南そして大運河の河港であった徳州において現在の大運河との状況について調査した。 文献調査では、青島市にある青島档案館において20世紀初期の記録であるが帆船の船体や規模が判る帳簿を閲覧した。複写が許可されなかったため一部筆写をしているが、その僅かな筆写記録からでも当時の帆船航運の状況を垣間見ることが出来た。いずれ本研究課題の終了期間までに関係資料とともに整理し成果として上梓したい。 9月20日から9月26日にかけては清代沿海の中心的な基軸港と考えられる浙江省の寧波において明代以来の史蹟や、沿海航運に関係した寧波商人虞洽郷の旧居及び彼の墓所の調査を行った。さらに、本研究課題に関連して、浙江工商大学日本文化研究所において「清代沿海帆船に搭乗した日本漂流民」と題する報告を行い、これは既に『或問』(近代東西言語文化接触研究会)第12号(2006年12月、59〜68頁)として上梓されている。 11月10、11日に台湾の基隆にある国立台湾海洋大学人文社会学院が開催した「2006海洋文化学術研討会」に基調講演者として招聘され、「17世紀以降における東アジア沿海航運と中国帆船:沙船・鳥船を中心」の報告を行い、主として清代における中国大陸沿海で活動していた平底型海船の沙船と尖底型海船の鳥船の航運状況について述べた。
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Research Products
(7 results)