2008 Fiscal Year Annual Research Report
9・10世紀の東フランク・ ドイツ 王国における政治構造とエトノス生成
Project/Area Number |
18520573
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三佐川 亮宏 Tokai University, 文学部, 准教授 (20239213)
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Keywords | 東フランク王国 / ドイツ王国 / エトノス生成 / 起源説話 / ゲルマン人 / フランク人 |
Research Abstract |
本研究計画は、9〜10世紀の東フランク・"ドイツ〓王国における政治構造とエトノス生成の諸相の特質を、主として政治・国制史および社会人類学の視点から解明することを目指すものである。平成20年度の研究では、(1)関連史料箇所の調査・収集。(2)ザクセン朝期(919〜1024年)とザーリアー朝期(1024〜1125年)を対象に、重要な論点についての考察と研究論文の執筆に重点を置いた。 (1)については、平成18〜19年度の研究を通じて既に大半の課題を達成しており、補完的な作業が中心となった。ただし、課題に関連する研究文献の調査・収集は、本年度のみならず次年度も引き続き継続する必要がある。 (2)については、10世紀〜12世紀に至る期間の、東フランク=ドイツ王国におけるエトノス生成を主要な論点、すなわち「ローマ帝国理念とその統合作用」、「民族と部族」、「新部族大公領と王国の分国構造」、「起源説話」等に即して考察した。目下、その成果を博士論文として執筆する作業に従事している。『ドイツ史の始まり-中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』(仮題)。全15章、原稿用紙換算約1300枚を予定しており、現時点ではおおよそ3分の2程度を書き終えたところである。研究最終年度となる次年度中に完成させ、将来は、著書として公刊することを予定している。
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