2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520584
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
定森 秀夫 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 教授 (90142637)
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Keywords | 考古学 / 新羅 / 対外関係 / 半島統一 / 陶質土器 |
Research Abstract |
1.韓国調査 主に全羅道地域の順天大学校博物館・湖南文化財研究院・群山大学校博物館・全北文化財研究院・東新大学校博物館・全南文化財研究院・全南大学校博物館などを訪問し、出土遺物の観察・撮影などを行い、各機関の研究者と意見交換、さらに各機関の発掘調査報告書などの資料収集を行った。百済地域での新羅系陶質土器の出土例は極めて少ないが、新羅による百済滅亡以後は、短脚高杯や印花文土器が百済土器にとって替わる現象が、加耶地域と同様に看取された。百済地域出土の金工品の中に若干ではあるが、新羅系統のものが存在することを確認できた。 慶州を中心とした慶尚道地域では、蔚山発展研究院・蔚山文化財研究院・蔚山大学校博物館・伽耶文化財研究所・昌原大学校博物館・国立金海博物館・国立慶州博物館・東国大学校慶州キャンパス・国立慶州文化財研究所・新羅文化遺産調査団などを訪問し、出土遺物の観察・撮影などを行い、各機関の研究者と意見交換、さらに各機関の発掘調査報告書などの資料収集を行った。加耶地域では、新羅の加耶併合以前にも、大加耶の高霊池山洞古墳群や小加耶の固城内山古墳群などで、新羅系陶質土器が当地の高霊タイプ・固城タイプ陶質土器と共伴していることを確認できた。 2.国内調査 佐賀県内出土の新羅系陶質土器の調査を行った。基山町園部正応寺出土の新羅系陶質土器高杯は、一時期所在不明であったが、今回その所在を確認し、観察・撮影を行うことができた。高杯は、一段透孔と二段透孔の2点がある。二段透孔高杯は薄手の作りで、慶州周辺で6世紀前葉に生産されたものと思われた。一段透孔高杯は厚手の作りで、一見して二段透孔高杯とは異なる。また、却端処理に加耶的要素が見られるなど、慶州以外の加耶地域に近い地域で生産された可能性が高く、二段透孔高杯より若干古い時期と思われた。
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Research Products
(3 results)