2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520590
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
酒井 清治 駒澤大学, 文学部, 教授 (80296821)
|
Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 手工業生産 / 須恵器生産 / 流通 / 群馬県 / 金山窯跡群 / 胎土分析 |
Research Abstract |
本年度は大学院生3名を研究協力者に加え、群馬県太田市金山窯跡群辻小屋、八幡、入宿、菅ノ沢遺跡出土の須恵器の資料整理と、器種や大甕の口縁部、叩き技法、当て目技法の分類を行った。その後須恵器の実測図の作成を行い、生産遺構である窯跡を検討した。さらに菅ノ沢遺跡を除いた3遺跡について報告書用の原稿執筆を行った。 また、金山窯跡群出土須恵器の理化学的胎土分析である蛍光X線分析を並行して行ったが、今年度は菅ノ沢遺跡イ〜ト号の7基の窯跡出土須恵器の分析を行い、3つのタイプに分類できることが判明した。分析によれば粘土は露頭から採集したもの、やや深く掘ったもの、両者を混ぜ合わせたものが想定されるという。 本研究の目的の中に生産、流通、系譜を解明することが含まれるが、生産について器種、胎土、ヘラ記号および、叩き技法や当て目技法などの製作技法を検討し、今年度整理した資料から金山窯跡群の特色を抽出して、次年度以降の研究目的である金山窯跡群の須恵器がどのように流通していくのかという課題の基礎的研究を進めた。また、系譜について韓国出土の陶質土器との比較から、大甕底部の絞り技法と金山窯跡群に特徴的な提瓶の絞り閉塞技法を比較検討してその関連性を探った。 本年度のまとめとして、金山窯跡群の中でも辻小屋、八幡、入宿遺跡の須恵器は、時期や生産規模が異なるものの、生産した須恵器は大甕が主体であることが判明し、今後流通範囲だけではなく、古墳出土の須恵器、特に大甕がどのように扱われているのか検討課題が出てきた。 本年度の成果として金山窯跡群のうち、辻小屋、八幡、入宿遺跡の報告書を3月末にまとめ、5月に刊行する予定である。
|
Research Products
(2 results)