2007 Fiscal Year Annual Research Report
同位体分析による再葬墓造営集団の集合形態と移入者の研究
Project/Area Number |
18520596
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
小林 青樹 Kokugakuin Tochigi Junior College, 日本史学科, 准教授 (30284053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 謙一 國學院大學栃木短期大学, 国立歴史民俗博物館研究部, 助手 (80303296)
坂本 稔 國學院大學栃木短期大学, 国立歴史民俗博物館研究部, 准教授 (60270401)
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Keywords | 考古学 / 同位体分析 / 再葬墓 / 食性 / 集合形態 / 移入者 |
Research Abstract |
具体的内容 日本列島における縄文時代と弥生時代にみられる墓制について、再葬墓を中心に、墓地を形成する集団の集合形態と移入してきた集団を抽出する。再葬墓の土器棺は、日常用土器の転用品とされ、この土器の付着物の分析から食性の推定を行い、墓に集積されているもののなかでばらつきを検討する。仮説として、一つの集落においては、土器の使用方法にはそれほど変異はないと推定できるとすれば、集落出土土器の分析と比較して再葬墓用土器棺での変異を明らかにすることが可能となる。本年度は、再葬墓造営集団の土器の土器付着炭化物資料の調査・収集を行い、次年度での分析に備えた。あわせて、同位体分析による検討との比較のため、第1に再葬墓造営集団の考古学的研究、そして、再葬墓のアジア的な展開についての検討を進めた。 意義と重要性 再葬墓出土土器棺には、分析に耐えうる付着物は多くない。したがって、年代測定に限定するよりも、食性分析等を同位体分析によって実施することができる。また、再葬墓造営集団は、東日本において最初に農耕を開始することになる基礎集団であり、本格的な農耕開始以前の生業の推定を行うこともできる。 また、これまでに、再葬墓造営集団の集落や、生業形態については、全く研究が進んでおらず、同位体分析による食性分析は重要な情報を提供する。そして、再葬墓は分散した小規模集落の共同墓地であるという仮説に対して、持ち寄られたとされる土器棺の食性分析において、その変異を分析することによって集団関係を検討することが可能となる。
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Research Products
(3 results)