2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520606
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝口 常俊 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (50144100)
|
Keywords | 日記 / 行動様式 / 農民生活史 / 武士 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の近世以降に個人が残した貴重な日記を収集、データベース化し、全登場人物の行動様式、行動範囲を分析することによって、当該地域・時代の地理的。社会的背景を明らかにすることである。近年、社会科学の分野で「日記」の価値が見直され、庶民の生活の復原をもとに、当該時代の社会構造の一端が明らかにされつつあるが、その成果は数の上で少なく、かつ研究内容も限定的である。本研究が「日記」に注目したのは、たかが個人の記録で客観性がないと過小評価されがちな日記に光をあて、その価値に市民権を与えることである。今年度は昨年度にひきつづき第1に尾張藩士、朝日文左衛門の記した元禄時代の日記『鸚鵬鵡籠中記』の翻刻、データベース化をおこなった。第2に種子島の大崎蘇市氏宅にて入手した日記資料のうち第二次世界大戦前の分の翻刻、データベース化をおこなった。あらたに美濃の青木九兵衛日記の明治元年〜4年のデータベース化をおこなった。 学会活動においては、名古屋大学で開催された「歴史地図とGIS」国際学会(2008.8.23-25)で濃尾地方における近世・近代の地域構造について報告した。また神戸インスティチュートで開催された「ヨーロッパと日本の環境史」国際学会(2008.9.14-18)で白川郷の焼き畑と農民生活について報告した。なお、種子島の大崎蘇市日記については「20世紀日本の生活様式と社会環境に関する学際的研究」研究会(於、名古屋大学経済学部、2008.3.10)で発表した。
|
Research Products
(5 results)