2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊從 勉 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (00151689)
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Keywords | 人文地理学 / 建築史・意匠 / 絵図・地図 / 琉球王国 / 首里城絵図 / 首里古地図 / 首里 |
Research Abstract |
本年度は那覇市への出張を5回,東京都への出張を3回行い,諸機関所蔵の首里もしくは首里城関連の古絵図の調査を行った。沖縄出張5回のうち3回は,報告者が委員を務める国営沖縄記念公園事務所委託の首里城公園整備検討委員会の開催に合わせて行い,旅費の節約を計った。沖縄では海洋博覧会記念公園管理財団(首里城公園を管理する財団)や県立博物館,および県立芸術大学等が新規に収集した首里城関連資料中の該当資料の探索・閲覧・撮影もしくは写真の入手を行った。また,県立図書館等において,17世紀以降の琉球人画家の系譜資料探索を開始した。 東京では,主に東京国立博物館資料館において,全国各地の博物館・美術館が所蔵する美術・工芸品目録を用い,琉球絵画資料の調査を行った。また,同博物館が集めている各地の博物館・美術館所蔵の絵画写真のコレクションを利用して,琉球関連絵画と同時代の日本人画家による作品との比較作業も開始した。 本年度の成果としては,裏面に掲載する記事や論文の執筆・公表を行った。特に,東京大学史料編纂所所蔵『首里城並諸方絵図間付差図帳』所収の彩色「首里城絵図」と首里王府宗教施設の絵図写本が,1988年以降に数点発見された首里城古絵図写真や宗教施設絵図写真が示す古絵図群原本の写本であることが確認でき,その測量精度が解明できたことは,重要な成果である。これにより,18世紀初頭の琉球に普及していた測量術の一端が解明されたと考える。引き続き詳細な分析を行う予定である。
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