2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520607
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊從 勉 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00151689)
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Keywords | 人文地理学 / 建築史・意匠 / 絵図・地図 / 琉球王国 / 首里城絵図 / 首里古地図 / 首里 |
Research Abstract |
首里城絵図については、首里城内殿舎の様式が成立した年代確定のための資料として検討を始めたものであるが、絵地図と鳥瞰絵図それぞれの琉球における成立・変遷を考慮に入れた研究に進展した。前者は、琉球における測量術の発展との関わりを検討する作業となり、後者は、首里那覇鳥瞰絵図の成立と変遷史のなかで検討する作業となった。それぞれの現存資料と映像記録の存在・所蔵箇所を確認した上で、17世紀以降19世紀後半に至る琉球絵地図の技法の変遷を大きく把握する方向で作業を進めた。 前者の成果としては、首里城を含む王府施設の差し絵図写本を東京大学史料編纂所所蔵資料のなかに確認することによって、トラバース測量法が流通する以前の琉球における測量法の概要を明らかにした。 鳥瞰絵図群に関しては、近年論考が出だした那覇港絵図や首里那覇鳥瞰絵図の研究を参考にしつつ、首里城を表示する絵図とそうでないものの登場する意味を考察した。その成果として、京都大学人文科学研究所が台湾中央研究院歴史語言研究所と共同開催した「日本・中国近世の都市生活」シンポジウムにおける筆者の発表がある。 今後、江戸期日本の鳥瞰絵図の進展との比較を行う予定である。
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