2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520609
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
外川 健一 Kumamoto University, 法学部, 教授 (90264118)
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Keywords | 離島 / リサイクル / 循環型社会 / 廃棄物 / 国際比較 / 自動車リサイクル法 / 漂着ごみ / 国際環境協力 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、日本・アジア太平洋の島嶼国家における廃棄物問題としてとくに使用済自動車の諸問題および「漂着ごみ問題」に関する国際的対応について考察を行った。 自動車リサイクル法施行前の2001年8月、環境省が公表したデータでは、全国で保管基準違反などの違法野積み分が約92,000台、不法投棄等違法に処分されている分が34,000台あり、そのうち多くの離島を抱える沖縄県で48,020台(うち離島部では20,815台と全体の38.1%を占めていた。)も存在した。しかし、この数も徐々に減少し、2007年3月の数字は、日本全国で35,064台、沖縄県で1,041台(うち離島部では319台)にまで減少している。この背後には、同法第106条第3項に基づいた「離島対策支援事業」により、離島から本土までの海上輸送コストの80%を上限とした「補助事業」が実施されたこともあるが、もっとも大きな要因はグローバリゼーションの進展の中で、BRICs諸国を中心とした旺盛な資源需要によるものであることを指摘しながら、同事業の目下の問題点を指摘した。「漂着ごみ問題」については、とくに日本のNGOが中心として行った国際的な調査やその対策についてフォローし、国際環境協力としてどのような取り組みが行われているか、日本を中心に検討を進めた。さらに今年度から福岡市が中心となって継続して取り組んでいる、太平洋州のサモアの処分場マネジメントの実態調査を一例に資料を収集している。サモアの離島の住民(一口に言っても様々な階層やアクターが存在するであろう)、関係業者、中央政府、観光客などにとって、何が「問題」として意識され、それをどのように克服しようとしているのかを、日本の場合と比較しながら、個別具体的に検討することによって、この問題に関する離島の特殊性を明らかにできると考える。
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