2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本統治下の台湾における自由移民としての日本人漁民の生活様式に関する地理学的研究
Project/Area Number |
18520615
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
山口 守人 Shokei University, 文学部, 教授 (30015581)
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Keywords | 日本統治下の台湾 / 日本人漁業移民 / 漁村の集落構造 / 生活様式 / 生活空間 / 自由移民 / 契約移民 / 官営移民 |
Research Abstract |
昨平成18年度のマイクロフィルム史料:日刊台湾日日新報(明治30年5月〜昭19年3月)の粗読作業と現地踏査との結果から選定した現地四フィールド(基隆市和平島、蘇〓鎭南方〓・花蓮市美〓・成功鎮新港)について、本平成19年度は、『漁業並びに漁村集落に関する情報』を改めて同上マイクロ史料から採録。その結果当該地域の漁村では、おおむね本土漁業移民集落、琉球漁業集落、本島民漁業集落、原住民漁業集落がそれぞれ自律した地域社会を形成しながらも、産業としての漁業では相互に関連し合い、分業・協業体制のような状况を創出していたように窺える。その状況を把握するために、当時の現地における唯一の業界誌『台湾水産雑誌』(大正5年1月発刊-昭和18年12月発刊の月刊誌)に着目したが、その状況を示唆してくれるような論稿にはなお遭遇致してはおらず、当初計画の通り、現地の地方政府機関(該当フィールドにかわりをもつ県市政府鎮郷公所、戸政事務所並びに地政事務所)が所蔵・管理している寄留薄・戸籍薄・土地台帳・地籍図の閲覧が不可欠となってきた。前年度の踏査でその所在並びに閲覧手読等を熟知してきたので、それぞれの該当フィールドの首長の助言に従って、台北駐日経済文化辨處に閲覧協力要請書の発行申請を行ったとろ、前回の農業移民調査の際と異なり、久しく連絡がなく、本年度の調査直前になって催促致したところ、大方の予測に反し、発行拒否の電話連絡を受け、止むなく現地調査を中止。現在、同辨事處と交渉を繰り返す傍ら、現地協力者を介し、台湾語の関連文献も含め詳細に亘って再度文献を渉請中。動力付漁船だけに限られるが、当時の「船籍港ごとの船名・船種・漁法・船主名等」が大方、把握できてきたので、これらを手掛りに現地漁業関係者へのアクセスが可能になってきた。明年度調査にかけている。
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Research Products
(1 results)