2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520622
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
宮内 貴久 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10327231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 勇次郎 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 名誉教授 (00017112)
安田 次郎 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60126191)
神田 由築 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60320925)
佐野 賢治 神奈川大学, 経済学部, 教授 (90131127)
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 民俗系, 准教授 (60241452)
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Keywords | 職人 / 民俗 / 由緒 / リテラシー / 読書 / 建築儀礼 |
Research Abstract |
福島県奥会津地方の職人は、棟梁の所に弟子入りして一人前と認められると、巻物が伝授される。大工が伝授される巻物には幾つかの流派がある。そのうち「番匠一流一切之大事」系統の巻物で、最古のものは宝暦9年(1759)であり、同派が伝える巻物は三輪神道の文書であることが確認された。 これまでは番匠巻物の出典、系統を追うこと、どのような系統があるのかに関心があった。言い換えると、ある場所から発信された文書がいかにして奥会津に流布してきたのかという点に興味があった。今年度は読み手がどのように読んで理解したのかという、書写行為の持つ柔軟性に着目して、番匠巻物がどのように読まれて書写されてきたのかという点について検証した。三輪神道の系譜を継ぐ「番匠十六巻一流之大事」は忠実に書写され続けたものがある一方で、省略され加筆されたものもある。編集されたテキストを三点検討した結果、省略されていても「番匠十六巻一流之大事」あるいは「神道大工十八通大事印許」の系統であること、大工道具の由来が省略されること、儀礼の細部も省略される傾向があることが明らかになった。また、建築とは関係ない内容でも、その時代社会が必要とされた知識は加筆されていくことも明らかになった。
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Research Products
(5 results)