2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国粤東地域における無縁の死者祭祀の偏差・伝播・歴史的変遷に関する民俗学的研究
Project/Area Number |
18520628
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
志賀 市子 Ibaraki Christian University, 文学部, 教授 (20295629)
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Keywords | 無祀枯骨 / 義塚 / 善堂 / 中国 / 広東省東部 / 台湾 / 民俗宗教 / 民俗学 |
Research Abstract |
本年度は、文献収集とこれまで集めた資料や文献を整理し、論文や報告書にまとめる作業を重点的に行なった。まず『道蔵輯要』や『蔵外道書』など、近世に出版された道教や民間信仰の経典を集めた叢書を購入し、仏教や道教がとらえる無縁の死者祭祀の意味を検討した。次に研究発表として、潮汕地域の善堂と善堂の刊行する鸞書に関する論文を、大学の紀要に発表した。また平成18年10月に慶応義塾大学の東アジア研究所で発表した海陸豊地域の「聖人公媽」に関する報告を論文としてまとめたものを、当該研究所が刊行する『東アジアにおける宗教文化の再構築』に掲載予定である。当初予定していた中国での発表はできなかった。平成19年7月に参加する予定であった「国際人類学与民族学聯合会第16届世界大会」が、オリンピックの影響で中止となってしまったからである。国内では、平成19年12月に関西大学で開かれたシンポジウムに参加し、発表を行った。また平成20年3月に首都大学東京で行われた「象徴資本としての中国宗教研究会」に参加し、この3年間の研究・調査を総括する発表を行った。さらに、規定の研究実績報告書以外に、これまでの調査成果をまとめた研究成果報告書(106頁)を50部作成した。この報告書には写真及びこれまでの調査で得た粤東地域の無縁の死者祭祀の事例をまとめた表を付録として掲載した。
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