2009 Fiscal Year Annual Research Report
ディスコース分析とプラクティス分析から見る中国的全体主義下の個人と人民
Project/Area Number |
18520630
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
聶 莉莉 Tokyo Woman's Christian University, 現代教養学部, 教授 (00258493)
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Keywords | ディスコース分析 / プラクティス分析 / 政治文化 / 知識人 / イデオロギー / 中国革命 / 社会統合 / 反右派闘争 |
Research Abstract |
本研究は、文化人類学的ディスコース分析とプラクティス分析の手法及び政治史、思想史、知識社会学などの学問の視点から、中国の社会主義革命における中国的全体主義、特にその政治文化や社会統合の仕組みを究明するものである。 平成21年度は、本研究課題の最終年度として今までの研究成果をふまえながら下記の課題をめぐって補充調査と研究分析を行った。 (1)社会主義革命期における社会統合に見られる「吸引」と「排除」といった絶対主義的二分法、(2)それを具現化した階級闘争理論と政治運動、(3)革命の対象となったエリートや知識人の「立場」の転換。 北京や上海の大学や公立図書館で資料収集をする以外、かつて政治運動において闘争対象となった知識人数名に対してインタビューを行った。一方、本研究の最終報告書の作成に取り組んだ。 本研究の最初の段階では、上記(1)の「吸引」の方に重点を置いたが、研究の進むにつれて、むしろ「排除」の方がこの体制の特質をより明確にすることにさらに有利だと判断するようになり、重点を後者に移った。したがって研究報告書の研究分析は、基本的に「排除」と関連するディスコースやプラクティスをめぐって展開した。報告書の詳細は、下記の通りである。 題目:「中国革命以後の政治文化と『旧知識分子』の『立場』世界観と役割の転換」 目次:序章問題の所在、第一章「知識分子成堆」の教育研究部門の反右派闘争、第二章批判された右派の「現行言行」、第三章批判された費孝通などの知識人の中国社会論と社会改造論、第四章追及された「崇洋媚外」と「海外関係」、第五章知識人の共産党イデオロギーへの受容、第六章「知識分子改造」、第七章「右派分子」の自己批判と相互摘発、第八章社会認識論の差異、第九章晩年述懐-Z型人生終章全体主義の政治と個人
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Research Products
(1 results)