2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における身装電子年表の構築-身体と装いの文化変容
Project/Area Number |
18520634
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
高橋 晴子 Osaka Shoin Women's University, 学芸学部, 教授 (10247885)
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Keywords | 文化人類学 / 服装 / 服飾 / 髪型 / しぐさ |
Research Abstract |
本研究の目的は、明治維新以降、約80年間のわが国における「身装-身体と装い」の文化変容を、時系列にウェブ上で表現し、現代の衣生活に至った過程を明らかにすることである。そのために本電子年表では、「近代日本のある時期に、人々はどのような身装をしていたのか」という具体的イメージを、文字と画像によって提供する。このような本年表の特色は、(1)事柄が<事件>、<現況>、<回顧>に区分して記述されているために、身装の風俗に関する事柄が他の年表より理解されやすい、(2)必要に応じて依拠資料の全文が別ウインドウによって表示される、(3)各年に対応する「景観」、「未婚女性」、「既婚女性」、「男性」、「子ども」などの標準風俗画像が提示される、(4)主要な用語による検索が可能、の4点である。これらの特徴をもつ電子年表は、同時代の装いとしぐさのイメージの忠実な再現に役立ち、さらに近代日本の80年間の変容を具体的に理解することができる。本電子年表は、学術的な参考図書となるばかりでなく、映画や舞台のシーンづくりにも役立つと考える。本年度の実施計画は、国立国会図書館所蔵資料の精査を基本として、文字・画像データの充実をはかり、約10年間の電子年表のプロトタイプを作成することであった。この実施計画で変更のあった点は、10年間のプロトタイプを作成するのではなく、80年間を対象として、電子年表の一応の形を整えたことである。これは、研究を効率的に行うためには、10年間の完全なプロトタイプを作成するよりも、全体の80年間を対象として、完成度を高めていくほうがよりよいと判断したためである。そのため、上記(1)〜(4)のうち、(2)全文を別ウインドウで表示すること、(4)主要な用語による検索のふたつは実現していない。現在のところ、「年」と「自然語」による検索は可能である。また、〈事件〉〈現況〉の文字データは、ともに原文の内容を要約して掲載している。画像データも各年について、平均5枚を選択し、入力をおこなった。システムはインターネット上での利用に耐えうる機能を搭載していることは確認ずみである。なお、利用しているソフトは、堀内カラーのイパレットネクサスである。
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