2006 Fiscal Year Annual Research Report
民俗芸能保護における「記録選択」の意義に関する調査研究
Project/Area Number |
18520640
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
宮田 繁幸 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 無形文化遺産部・部長心得 (20342941)
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Keywords | 民俗芸能 / 無形民俗文化財 / 記録選択 |
Research Abstract |
平成18年度は、初年度調査として、以下の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財を対象にその現状確認調査を実施した。 (1)祖父江の虫送り行事(愛知県稲沢市)1991(平成3)年2月2日選択 (2)薩摩の水からくり(鹿児島県南さつま市)1984(昭和59)年12月20日選択 (3)吉備津彦神社の御田植祭(岡山県岡山市)1979(昭和54)年12月7日選択 (4)焼津神社の獅子木遣りと神ころがし(静岡県焼津市)1978(昭和53)年12月8日選択 (5)能勢の浄瑠璃(大阪府能勢町)1999(平成11)年12月3日選択 (6)茅原のとんど(奈良県御所市)1978(昭和53)年3月25日選択 これらの確認にあたっては、それぞれの記録選択時における概要説明と、実際の公開状況を比較するとともに、可能な限り地元関係者からの情報収集を行い、記録選択後の変化等につき調査した。主として選択後の変容等について調査した。その結果、本年度の6件に関しては、公開期日が記録選択時と比べ、直近の土曜・日曜に変更されている、行事の主体が新しい組織形態に移行するなどの変化は若干認められたが、民俗芸能の芸態及び行事次第等の大部分は、選択時の状況を比較的良好に保っていることが確認された。 なお、市町村合併の進行に伴い、本年度調査対象とした案件のうちのいくつかは、記録選択時から比べ行政単位がここ数年で格段に拡大しており、その影響による変容については、今後も確認が必要である。
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