2009 Fiscal Year Annual Research Report
民俗芸能保護における「記録選択」の意義に関する調査研究
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18520640
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 繁幸 National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, 無形文化遺産部, 部長 (20342941)
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Keywords | 民俗芸能 / 無形民俗文化財 / 記録選択 |
Research Abstract |
本研究は、国により記録選択された無形民俗文化財の民俗芸能について、種別・地域・選択時期毎に多くのサンプルを抽出して現地調査を実施して、個々の実態を把握し分析することにより、民俗芸能保護にとっての意義を実証的に明らかにしようとするものであり、昨年度までに18件について公開調査を実施した。 その最終年度である平成21年度は、それらに加え以下の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財を対象にその現状確認調査を実施した。 1杭全神社の御田植(大阪府大阪市平野区)2008(平成20)年3月13日選択 2松前神楽(北海道小樽市)1995(平成7)年12月26日選択 3明清楽(長崎県長崎市)1978(昭和53)年3月25日選択 但し、選択時は「無形文化財」としての選択。九州地区民俗芸能大会での公開確認を実施。 これらの確認にあたっては、主として選択後の変容等について調査した。その結果、本年度の3件に関しては、期日の変容・公開機会の増加・公開環境の変化等は認められたが、その核心である芸態の大部分は選択時の状況を比較的良好に保っていることが確認された。 さらに今年度は、昨年までの現地調査の補足として、大阪府立上方演芸資料館、国立民族学博物館、大阪府立図書館、名古屋市博物館等で関連資料の確認調査を行った。 なお昨年度までの調査研究成果と合わせ、今後整理検討を加え、学会等で発表する予定である。
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