2006 Fiscal Year Annual Research Report
法的思考における原則主義と決議論-法におけるケアの契機とその位置-
Project/Area Number |
18530007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 高宏 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (00218504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀本 洋 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (30183784)
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Keywords | 基礎法学 |
Research Abstract |
服部は、生命倫理学や技術倫理学などのいわゆる応用倫理学における最近の決議論への注目の動向をより精緻に調査する一方、ドイツ語圏の法律学的方法論において決議論的思考がどのように扱われているかを検討するため、法治国家原理の展開や、立法理論におけるその展開のもように研究の主たる焦点を合わせ、ドイツ語圏の法律学的方法論の動向に詳しい法哲学者の著作や、応用倫理学関係の研究機関の発行する文献などを分析した。なかでも、生命倫理の分野における思考の在り方の分析を進め、決議論的思考と原則主義的思考との対立がどのような理論的・実践的意味をもつかについて、検討を行った。 亀本は、決議論に関する主として英米の文献を収集・分析する一方、主に英米における法律学的方法論の展開を、原則主義と決議論の対比という観点から分析し、整理し直す作業を行った。また、日本における法律学方法論の展開を、とくに民法学、それも民法学者の広中俊雄教授の著作を素材にして深く研究した。 両者は、互いの調査の進捗状況について定期的に協議をもつ一方で、わが国の法律学的方法論のこれまでの展開を整理し、数々の論者によって、どのような問題が、どのような切り口で分析され、さらにどのような実践的提言が行われてきたかを詳細に比較検討した。また、原則主義と決議論の対比の枠組みで研究を進めている種々の領域の応用倫理学の研究動向にも注目し、看護の専門家らとの意見交換も交えつつ、研究を行った。以上の過程で、それぞれに論文等を公表した。
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