2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530048
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山本 雅昭 Shizuoka University, 大学院・法務研究科, 准教授 (30380124)
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Keywords | 経済刑法 / 経済犯罪 / 独占禁止法 / 不当な取引制限 / 入札談合 / 官製談合 |
Research Abstract |
本研究の最終年度に当たり、独占禁止法違反行為とりわけ不当な取引制限への対応をめぐる問題について考察してきたところを総括することとした。不当な取引制限は、独占禁止法上、排除措置命令、課徴金といった公取委による行政的措置が予定されるとともに犯罪として刑罰が科されることとなっているが、不当な取引制限がとくに入札談合形式で行われる場合についてはさらに、刑法の競売入札妨害罪・談合罪のほか、入札談合等関与行為防止法の職員による入札等の妨害の罪とされるなど、幾重にも規制されている現状に鑑み、各違反行為・罪の関係について「新経済刑法入門」の該当箇所において、最近の立法の動向や諸外国の事情と併せて整理することとした。 また、入札談合においては競売入札手続の進展につれて競売入札の公正さを侵害する危険が増大する関係にあることに鑑み、共犯の成否、公訴時効の起算点、新旧法の適用等の前提となる犯罪の終了時期について明らかにする必要があるところ、この問題は、不当な取引制限の特殊性を超え危険犯一般の終了時期の問題として取り扱われるべきものであることから、犯罪の終了時期に関する日独刑法学における従来の研究成果及び関係する最近の判例の動向を踏まえて、不当な取引制限ないし入札談合に関して示唆されるところを提示しようとし、日本刑法学会仙台支部大会において個別報告を行うとともに、「静岡大学法政研究」誌上に関連する論稿を発表した。
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Research Products
(3 results)