2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530052
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
鮎川 潤 Kwansei Gakuin University, 法学部, 教授 (90148784)
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Keywords | 犯罪被害者 / 少年犯罪 / 被害者支援 |
Research Abstract |
昨年度から継続的に熱心にコンタクトを取った結果、少年による殺人事件が発生した愛媛、神奈川、福岡の各県で、1980年代に少年による犯罪によって子どもを殺害された親に対する、新規の聞き取り調査をそれぞれ1件ずつ行うことができた。このなかには複数回インタビューを行ったケースもあれば、インタビュー内容を公表しないという条件を確認したうえで聞き取りを行ったケースもある。約20年という歳月が経過したことによって、現在の生活は、犯罪被害者という枠組のみによっては捉ええない、加齢、疾病などの要因が大きな影響を与えていることが発見された。 さらに、1980年代の少年事件で、加害少年の一人に第一審で死刑判決が下りた事件について、2名の被害者のそれぞれの遺族に対する深いインタビューを行った。また、この事件の遺族による損害賠償請求に携わった2名の弁護士に対する聞き取り調査も行った。1980年代当時としては被害者側に弁護士が付くのは珍しいケースと考えられ、非常に有益な知見が得られた。 海外調査として、アメリカ合衆国で2007年8月に開催された子どもを殺された親の会に出席するとともに、聞き取り調査などを行った。アメリカ合衆国と日本とでは、犯罪に関する状況が異なっており、犯罪被害者の遺族に対する支援も異ならざるをえない、あるいは異なった対応が必要とされることが発見された。例えば日本では殺人の検挙率が90%と高いが、アメリカ合衆国では低く、犯人が逮捕されない殺人事件の被害者の遺族へのケアが大きな課題となっている。また、加害者に死刑が科され、たとえその処刑を被害者の遺族が目撃したとしても、おそらく被害者の遺族の悲嘆は決して収まることはないと推測されることが判明した。なお、科研費による本研究の成果の一つとして「犯罪被害者の支援と刑事司法の文脈」を発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Book] 刑事政策学の体系2008
Author(s)
前野育三先生古稀祝賀論文集刊行委員会編
Total Pages
554
Publisher
法律文化社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より