2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾島 茂樹 金沢大学, 法務研究科, 教授 (50194551)
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Keywords | 利息 / 利息の制限 / 中間利息控除 |
Research Abstract |
平成18年度は、研究計画に従い、研究の開始年度として、「利息とは何か」を検討するための日・英米・独におけるこのテーマに関連する文献の収集をすすめるとともに、まず、総論的研究として、さしあたり現時点でわが国において参照可能な文献を用い、「利息とは何か」の検討をすすめた。また、これとの関連において、平成18年の貸金業法制の改正に伴う問題点を検討した。この研究の成果は、「『利息』とは何かに関する序論的研究としての覚書-消費者信用における利息の制限との関連で-」クレジット研究38号(平成19年)として発表した。この論文では、「利息とは何か」という観点から、利息制限に内在する問題を指摘している。 他方、各論的研究として、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟における将来の逸失利益の中間利息控除の割合について、アメリカ・ジョージア州における議論を参考に検討をすすめた。この研究の成果は、「将来の逸失利益の算定における中間利息控除の割合一固定法定利率を採用するアメリカ・ジョージア州における議論を参考として-」金沢法学49巻2号(平成19年)として発表した。この論文では、先に、平成17年6.月14日の最高裁判決の判例解説(金沢法学48巻2号(平成18年)掲載)において主張した結論、すなわち、中間利息控除の割合を民事法定利率年5%とする最高裁判例に反対する主張に、さらなる論拠を付け加えている。 なお、不当利得返還請求の際に付される法定利息について、以前にウェブ上に発表した論文「制限超過利息(過払金)返還請求権に付される利息の法定利率」を転載する際、執筆当時は参照できなかったけれども、本研究をすすめる過程で気づいた重要文献につき加筆を行った。この論文は、金沢法学49巻2号(平成19年)に掲載されている。
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