2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530058
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾島 茂樹 Kanazawa University, 法学系, 教授 (50194551)
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Keywords | 民事法学 / 利息 |
Research Abstract |
平成20年度は、平成18年度、19年度の研究成果を受け、平成19年度に発表した期限の利益の放棄に関する論文(「前稿」という)の不明確な点を補うため、その補論となる論稿を発表した。この論文では、前稿で強調しきれなかった反対説の不都合に焦点を当てた。 また、研究課題の関連・展開課題として、民法改正の議論に伴う、利息法制の見直し、将来展望を検討し、法定利率のあり方について、民事・商事とも、変動制を採用すべきこと、利息については、経済の実態に合わせ、重利(複利)を基本とすべきこと、現行民法の立法時に明確に念頭に置かれなかった事例に関して、期限の利益の放棄に関する法制を整備すべきことを提言した。 これらを含め、平成20年度が、本研究の3ヵ年の研究期間の最終年度にあたることから、本研究の研究成果として従来発表してきた論稿をまとめる作業を行った。この際には、本研究の研究期間以前に本研究のテーマに関連して発表した論稿、本研究期間中に本研究のテーマに関連して発表した論稿をあわせまとめた。これを科学研究費報告書として1冊に印刷・製本した。 以上により、「研究の目的」に記載した究極の研究目的である「利息とは何か」の一端を明らかにすることができたと考える。
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