2006 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物の不法投棄の原状回復制度に関する研究ー新潟県の事例を踏まえてー
Project/Area Number |
18530079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神戸 秀彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70195189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 眞二 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50326352)
下井 康志 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80261262)
鈴木 俊 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80377168)
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Keywords | 産廃特措法 / 不法投棄 / 産業廃棄物 / 廃棄物処理法 / 豊島 / 大矢知 / 椿洞 / 桑名 |
Research Abstract |
2006年度は、幾つかの場所で、産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(通称、「産廃特措法」)の運用実態の視察を行った。具体的には、2006年11月に香川県豊島の産業廃棄物不法投棄現場と直島の不法投棄物の処理施設を訪問し、香川県・豊島住民会議・三菱マテリアルからヒアリングを行った。翌2007年3月には、三重県桑名市の産業廃棄物の不法投棄現場と不法投棄物の処理施設を訪問し、三重県からヒアリングを行った。いずれも、「産廃特措法」が適用されている現場である。前者においては、豊島の不法投棄物を周囲の環境に影響のないように遮断しながら、掘削して近くの直島にある三菱マテリアルの精錬所の一部を利用した香川県の施設により処理が行われている。後者においては、不法投棄の現場の上に設置された三重県の処理施設により処理が行われている。こうした現場の視察により、あらためて不法投棄問題の深刻さとその解決の困難さを実感すると同時に、その解決策として登場した「産廃特措法」の有効性と問題点についての分析の手がかりとなる認識、さらには、かつての廃棄物処理法や廃棄物行政が有していた問題点に関する知見を得られた。 また、2007年3月には、三重県桑名市の不法投棄現場と共に、それより大規模で、かつ、発覚がより最近の三重県四日市市大矢知(おおやち)の不法投棄現場、および、岐阜市椿洞(つばきぼら)の不法投棄現場の視察を行い、前者においては、三重県と周辺住民から、後者においては、岐阜市と周辺住民から、ヒアリングを行った。これらは、時期的に発覚が遅かったことと等の事情から、「産廃特措法」の適用がなおなされていないケースである。しかも、「産廃特措法」は、いわゆる「三位一体」改革による同法の改正により、自治体の不法投棄撤去事業に対し、国から補助金を支出しないこととされたため、改正前に比べ、その意義は薄れていう。そのような中で、三重県や岐阜市が採用しようとしている対策と周辺住民の望む対策との間に大きなギャップが生じていることがわかった。
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Research Products
(3 results)