2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530086
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新藤 宗幸 Chiba University, 法経学部, 教授 (30138549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 隆次 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (10113870)
石田 憲 千葉大学, 法経学部, 教授 (40211726)
関谷 昇 千葉大学, 法経学部, 准教授 (00323387)
北村 賢哲 千葉大学, 大学院・専門法務研究科, 准教授 (00344961)
笹倉 宏紀 千葉大学, 法経学部, 准教授 (00313057)
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Keywords | 司法改革 / 司法官僚 / 政党政治 / 裁判員制度 / 司法参加 / 特別裁判所 / 政治裁判 |
Research Abstract |
現代日本の司法のあり方には,その透明性や迅速性の確保,陪審や参審制の導入を中心として多くの問題が提起されてきた。近年の一連の司法改革においては,裁判員制度の導入に見られるように,法曹のみによる裁判から市民感覚重視の裁判への転換は注目に値するところではあるが,一方で,政治腐敗に関わる事件や行政責任の不明確さが露呈される行政事件に対する司法の対応は依然として不十分なままと言える。そこには,違憲立法判断の消極性はもとより,司法官僚機構をめぐる実態の不透明さ,政治汚職裁判の実態の不透明さなど,司法制度をめぐる構造的な問題が見出される。本研究はそうした問題を解明するための予備的考察として位置づけられるものである。 本年度は,昨年度に引き続き基礎的資料の収集と整理に重点を置き,政官業関係に関する腐敗事件と裁判史や,裁判官や検察官のキャリアパスに関するデータベースの作成に努めた。また,裁判員制度の導入に関する歴史的経緯や諸問題についての考察を進め,日本における訴訟運用の実態をめぐる基礎的な分析視角を見出すことを行った。さらに,政治裁判をめぐる日・独・伊の国際比較に着手するとともに,思想的には三権分立を規定する憲法原理についての考察を進めることによって,戦後パラダイムを批判的に捉え直す着想を得るに至った。 これらについては一定の成果にまとめられているが,本研究はあくまでも予備的考察であって,作業の多くは現在も引き続き行われている。今後も,政党政治と裁判・司法官僚と司法改革・司法参加と三権分立・司法制度の国際比較を基軸としながら,より本格的な成果として公表していく予定である。
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Research Products
(5 results)