2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530095
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
木場 隆夫 Iwate Prefectural University, 総合政策学部, 教授 (00404822)
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Keywords | 地域 / リスク |
Research Abstract |
本研究は、リスクの回避、安全・安心な社会の実現に向けて地方自治体が主体的に関与すべき状況において、地域におけるリスク対応の独自性が観察される事例を収集するとともに、ガバナンスの観点から整理し、自治体における実務体制の整備に向けて重要な点を指摘した。行政学、経済学及び学際的視点から、地域のリスク対応策に切り込んだことが特徴である。最終年度として成果のとりまとめの研究会を岩手県立大学において実施し、報告書を作成した。 第一部は具体的事例を基に考察を行った。第一章では、岩手県で大問題となった産廃不法投棄事件などを含め、地域におけるリスク対応の実態を描いた。第二章では、それらの事例を基にして地域におけるリスク対応の要素を抽出した。リスク対応の時問、地域独自の対応策、地域住民との関係、科学的知見である。第三章では、リスク・ガバナンスの考え方に立って再整理を試みた。 第二部では、重要な論点にっいて考察を深めた。第四章では、期待値に限定しないリスク認知の問題と政策的応用可能性にっいて論じた。第五章では、地方自治体においてもリスクが主要な政策アジェンダとなってきた背景と日本特有の分権化の中で、環境の変化に反応して、課題解決に至る道筋を見つけ出す自立的システムが作られるべき時期であることを明らかにした。第六章では、地域における「リスク・コミュニケーション」をテーマに、その実務的問題点を概観した。第七章では、展望とまとめを述べた。
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Research Products
(3 results)