2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530120
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 洋子 Nihon University, 国際関係学部, 教授 (00182345)
|
Keywords | 輸出規制 / 移民 / 米国 / 科学技術 / 教育 / 留学 / 技術移転 |
Research Abstract |
筆者は、「共産圏崩壊後の米国の輸出規制-東アジアを中心に-」というテーマで、平成18年度以来、研究を続けているが、平成19年度は、米国で論争を呼んでいる「みなし輸出規制」の問題に焦点をあてて、分析を試みた。みなし輸出規制とは、技術移転に関わる輸出規制で、物品の輸出規制とは異なる。その規制は、科学技術の研究開発・教育、人の移動(移民や留学等)など多方面に関わるものである。 筆者は、様々な領域で進行している情報技術革命やグローバル化と、みなし輸出規制論争との関係を分析した。そのなかで既存の研究に対する新しい視点として、以下の2点を見出した。(1)輸出と国家を越えた人の移動(移民だけでなく国際的な研究開発、留学なども含む)は、別分野の研究対象とみなされているが、米国のみなし輸出規制ではこれらは連動し、ともに国家安全保障政策に結びついている。それゆえ、輸出と移民や留学等を別個の領域とみなす、これまでの研究のあり方は再考されるべきであること。(2)情報技術革命により「輸出」が大きく変化していること(一例をあげれば、ソフトウェアを用いる際に、[従来からすれば輸出業者ではない]日本の一般の人々が、米国の輸出規制に抵触する可能性も出ている)-以上の2点である。 研究成果は、平成19年10月に日本国際政治学会で、また、平成20年3月には日本安全保障貿易学会で報告した。10月の報告をもとに、『国際問題』567号(日本国際問題研究所、2007年12月)で『科学技術の教育・研究、人の移動とみなし輸出規制-米中関係の文脈で-』(24-33頁)という論文を執筆した。
|
Research Products
(5 results)