2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
焼田 党 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (50135290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅敏 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (00201012)
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Keywords | 人口変動 / 全要素生産性(TFP) / 人的資本形成 / 経済発展 |
Research Abstract |
本年度は以下の通り研究を進めた。 (1)労働力人口の比率の変化、および若年人口比率と老齢人口比率の変化が全要素生産性(Total Factor Productivity : TFP)に与える影響については、日本の過去のデータの整理を行ったが、まだ各年についての全要素生産性の推定値を得るには至っていない。本プロジェクト以外の研究者との共同研究として進行中である。 (2)労働人口比率の変化が経済成長率にどのような影響を与えるかについてのマクロ経済理論的な研究では、親世代の個人が出生率および子供に対する人的投資を内生的に決定すると同時に、研究開発(R&D)企業が技術的イノヴェーションを起こすために市場から資金を調達するモデルを構築する段階にある。すなわち、人的資本蓄積と技術開発が同時に生じて経済の発展・成長経路をたどるようなモデルである。基本的な考え方は、物的資本であれ人的資本であれ、資本の蓄積はやがて収穫逓減の状況に突き当たり、持続的に成長するには、技術的イノヴェーションが成長のエンジンたらざるを得ないという、Barro and Sala-i-Martin(2004)の考えに依存している。このようなモデルでは、Kogel(2005)のいうように人口の年齢構成の変化が技術進歩率あるいは成長率に影響を与えるという因果関係ではなく、モデル内の経済主体の行動から、人口の年齢構成の変化と技術進歩率が同時に決まることになる。このような考え方に基づくモデルの枠組み(プリミティブ・モデル)を作り上げ、複数の研究会等で報告を行った。 (3)子育てを家計内生産として定式化し、賦課方式の社会保障制度が出生率や家計労働供給および家計の厚生に与える影響の分析を発展させた。 (4)また、人的資本蓄積を学校教育と経験を通じた学習に分けて、それらが人口成長や経済発展に及ぼす影響の分析を発展させた。
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